海賊丸漂着異聞

海賊丸漂着異聞 (創元推理文庫) 東京創元社 創元推理文庫 640円 (+tax)

攘夷論に沸く幕末の動乱期、文久三年。御蔵島は異国線の漂着により、思いもよらぬ厄介を抱え込むこととなった。遭難した異人たちの上陸をやむなく許可したものの、彼らをいかに処遇したものか、島の上役は頭を抱える。時同じく島内で起きた事件の始末もあり、難題は絶えない。やがて島民たちの緊張が頂点に達したとき、双方の集団で怪死や失踪が相次ぐ。会話もままならぬ異人たちと懸命に意思の疎通を図りつつ、事態の打開に腐心する島の若き指導者。その前に現れたのは、幕府の役人とともに訪れた通詞ジョン・万次郎だった。時代小説とミステリの妙味が融合した第七回鮎川哲也賞受賞作(中表紙より)