建てて、いい?
講談社
2007年4月刊 177p 1300円(+tax)
30代半ばの独身女性はある日、重大な決意をする。それは、家を建てること――。仕事よりも、恋よりも、結婚よりも、家……それは正しい女の生き方ですか。
「家、欲しいな」
わずかであっても空間に囲まれている、独立した建物。その個体を専有して暮らす私。
イメージしたとたん頭の中の霧が晴れていくような感じがした。
ちょっと待って、私、今なんて言った?
思考を切るようにイスから立ち上がり、キッチンにもどった。
紙袋の中から蟹缶を出して、食料品棚にしまい、アボガドも野菜かごに入れる。
でも、先ほどの爽快感はまだ残っている。
別れて1ヵ月以上たった彼から突然届いた「宅急便」。はたして中身は……?
傑作短編「彼の宅急便」同時収録。
(帯より)
収録作品
・建てて、いい?
・彼の宅急便
箇条感想
- 30代、女性、独身が著者のキーワードかな?
- 現実問題、仮に男性であっても独身で家を建てようとすると周りの人に訝しがられる。つまり、「家」ってのは基本的に家族のモノなのだと思う。それなのに・・・
- 「彼の宅急便」 おまけっぽい扱いだけれどもリズム感があるし読んでいて楽しい。これだけでも買ってよかったと思えます。
- 読了は2007.4月