異人街変化機関
富士見書房
2006年4月刊 301p 1700円(+tax)
開国間もない横浜の外国人居留地に渦巻く驚愕の陰謀。渾身の時代ホラー・サスペンス!
影にしては黒すぎる。黄昏時の残光と、外燈の光。淡い光のもとでできる影が、これほど濃いはずはないのだ。小三郎の目がそこに釘付けになったのも、それに気づいたせいだろう。ただの影ではない。よくよく見ると人が蹲っているようでもある。黒っぽい布に、すっぽりと包まれたような。藤八は、あるものを思い出していた。ものではなく、ひとか。さいぜん見た人の、着ていたものだ。「狼……」藤八は呟いた。(本文より)
(帯より)収録作品
・本編
・あとがき
箇条感想
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- 読了は2007年12月2日