東京創元社 創元推理文庫
桃谷村の大地主にして吉田鉄工所の経営者である吉田辰造が、金城鉄壁を誇るトーチカさながらの倉に入ったきり出てこない。売買契約が成立する日でもあるにも拘わらず、通話管に応答なく十数時間経過。やがて駐在警官が呼ばれ、本署から応援部隊も到着する。鉄条網や濠、二重三重の扉を相手に五時間余に及ぶ悪戦苦闘のあげく発見された辰造は、大方の予想通り事切れていたのだが……。(カバー裏より)
天藤真といえば以前ココでも書いたけど「大誘拐」が有名。
本作は天藤真の長編第一作目。初出が昭和38年(1963)なので充分古典と呼んでも差し支えないのだろうけどでも今読んでも充分面白い。