となり町戦争

となり町戦争 集英社 1400円 (+tax)

五木寛之氏「卓抜な批評性か、無意識の天才か。いずれにせよ桁外れの白昼夢だ」
井上ひさし氏「このすばらしさを伝えるのは百万言費やしても不可能」
川本三郎氏「一気に読ませる面白さがあり、同時に深く考えさせられる真摯さがある」(SAPIO 2/23号)
etc.etc.(帯より・以下面倒になったので割愛)



ある日、町の広報誌の片隅にひっそりと掲載された【となり町との戦争のお知らせ】
開戦の日が過ぎても変わらぬ町並み、人々。しかし、確実に戦争は始まっているのだと、広報誌の戦死者の数が教えてくれる。目に見えない戦争。気配の感じられない戦争。
僕はわずかばかりの好奇心ゆえに一歩、また一歩とその戦争に踏み込んでゆく・・・ 
果たして僕が見た“戦争”の現実とは?



ってな具合でいいかな?
ついでに感想も書いておこう。

えーと、僕が個人的に面白いか、面白くないかで問われたら間違いなく「面白くない」作品。
 たぶん確信犯だと思うのだけど全編にわたって淡々と進む。伏線は張りっぱなし、人物も掘り下げない。ただただ主人公の目線からのみ知り得たことだけをつらつら書き上げているのでフラストレーションがたまる。読了感もあんまりよろしくないし。感覚としては森博嗣に似ている。
 ただ、作品中に詳細が描かれていないということは、あれやこれやと想像する余地がいくらでも残っているということであり、読書感想文を書こうと思ったら最適の一冊には違いない。

 で、この本の最大の謎は作者が全く見えないということ。作者名とか文章からの印象では女性だと思ったのだけど、Yahoo!ブックスでは男性作家に分類されている・・・覆面作家か?