追憶の猫

追憶の猫―探偵藤森涼子の事件簿 (ジョイ・ノベルス) 実業之日本 JOYNOVELS


探偵藤森涼子の事件簿の4作目。
4本の短編が収録。


淡々と静かに、それでいて一瞬たりとも滞ろうとはせずに時はすべてを押し流して行く。
一言で言うならそんな感じで、ホント淡々と物語が進みます。
まあ、その辺が魅力なんだけど。


涼子サンと本郷刑事の恋(というよりは結婚を前提としたつき合い、なんだろうなぁ)
を軸に4つの短編を絡めてあるのだけれど、
なんで毎回のようにヒトが死ぬかなぁ・・・しかもとってつけたように




(以下偏見盛りだくさん)
「ミステリ」というと定義の仕方は色々あるのだろうけど
まず、大抵の作品で殺人が起きます。
そんで、登場人物があらわれて、
なぜ『why』、誰が『who』、どうやって『how』
の3大疑問『done it?』を解き明かすってな塩梅になっているわけです。
「ミステリ」の上に「本格」が付くとこの傾向はなおさら顕著です。
もっともすべてそうだととは言いませんが。
(ちなみに僕が今年読んで面白かった小説の1位2位は、ふぅ〜ん『who done it?』?ナニそれ?って小説と、殺人自体が起きない小説だったりします)
じゃあ、なんで「殺人」が起きるのかというと、
コレは諸説色々あるのですがいちばんの理由は
「日常生活ではまず経験しないような衝撃がある」からみたいです。
・・・・・
話が逸れたので元に戻すと、
僕の言いたいことは、
この設定、このテーマだったら「殺人」ではない謎(mystery)で勝負して欲しかったなっていうこと。