北村薫

 1950年のバックトス

新潮社 2007年8月刊 254p 1500円(+tax) 一瞬が永遠なら、永遠もまた一瞬。過ぎて返らぬ思い出も、私のうちに生きている。秘めた想いは、今も胸を熱くする。大切に抱えていた想いが、解き放たれるとき――男と女、友と友、親と子を、人と人を繋ぐ人生の一瞬。 …

 玻璃の天

文藝春秋 2007年4月刊 225p 1,250円(税込) 昭和八年。時代を見つめ謎に挑む令嬢と女性運転手。 箇条感想 この頃読了の作品がごっそり無いのは多分妹に強奪されたためかと。 なので上記の作品情報はYahooBooksから転載したものです。 読了は2007年7月9日

 ひとがた流し

朝日新聞社 2006年7月刊 315p 1600円(+tax) アナウンサーの千波、シングルマザーの牧子、プロカメラマンと再婚した美々。三人は幼なじみで、四十代を迎えてもなお、互いを思いやりながら、それぞれの人生を歩んでいる。けれども、千波に重い病の宣告がなさ…

 語り女たち

文藝春秋 文春文庫 2004年4月刊 172p 1600円(+tax) 微熱をはらむ その声に 聴き入るうちに、 からだごと 異空間へ 運ばれてしまう17話。 色とりどりの、 〈謎〉のものがたり。 体験したり、人づてに聞いたりした、比較的単純なことを、飾り気なく話していく…

 街の灯

文芸春秋社 1762円(+tax) 士族出身の上流家庭・花村家にやってきた若い女性運転手。令嬢の〈わたし〉は『虚栄の市』のヒロインにちなんで、彼女をひそかに〈ベッキーさん〉と呼ぶ。そして不思議な事件が……。待望の新シリーズ。(帯より) 箇条感想 -

 盤上の敵

講談社 講談社文庫 591円(+tax) 我が家に猟銃を持った殺人犯が立てこもり、妻・友貴子が人質にされた。警察とワイドショーのカメラに包囲され、「公然の密室」と化したマイホーム!末永純一は妻を無事に救出するため、警察を出し抜き犯人と交渉を始める。は…

 覆面作家の夢の家

角川書店 角川文庫 457円(+tax) 12分の1のドールハウスで行われた小さな殺人。そこに秘められたメッセージの意味とは!?天国的美貌を持つミステリー界の人気作家「覆面作家」こと新妻千秋さんが、若手編集者、岡部良介とともに、残された言葉の謎に挑む表題…

 覆面作家の愛の歌

角川書店 角川文庫 514円(+tax) ペンネームは覆面作家――本名・新妻千秋。天国的美貌でミステリー界にデビューした新人作家の正体は、大富豪の御令嬢。しかも彼女は現実に起こる事件の謎までも鮮やかに解き明かす、もう一つの顔を持っていた!春のお菓子、梅…

 覆面作家は二人いる

角川書店 角川文庫 480円(+tax) 姓は「覆面」、名は「作家」――本名・新妻千秋。天国的な美貌を持つ弱冠19歳の新人がミステリ界にデビューした。しかも、その正体は大富豪の御令嬢……ところが千秋さんには誰もが驚く、もう一つの顔があったのだ!?『推理世界』…

 ミステリは万華鏡

集英社 集英社文庫 514円(+tax) 「謎」に出会うと解いてみたくなる。解かずにはいられない。解けるまでやめられない!――そんな宿命的な性を持つ「男の中の男」北村薫が、ミステリの名作から、詩や絵画、テレビで耳にしたエピソード、食膳に供される魚のホネ…

 冬のオペラ

角川書店 角川文庫 552円(+tax) 勤め先の二階にある「名探偵・巫弓彦」の事務所。わたし、姫宮あゆみが見かける巫は、ビア・ガーデンのボーイをしながら、コンビニエンス・ストアで働き、新聞配達をしていた。名探偵といえども、事件がないときには働かなけ…

ターン

新潮社 新潮文庫 590円(+tax) 真希は29歳の版画家。夏の午後、ダンプと衝突する。気がつくと、自宅の座椅子でまどろみから目覚める自分がいた。3時15分。いつも通りの家、いつも通りの外。が、この世界には真希一人のほか誰もいなかった。そしてどんな一日…

スキップ

新潮社 新潮文庫 743円(+tax) 昭和40年代の初め。わたし一ノ瀬真理子は17歳、千葉の海近くの女子高二年。それは九月、大雨で運動会の後半が中止になった夕方、わたしは家の八畳間で一人、レコードをかけ目を閉じた>>目覚めたのは桜木真理子42歳。夫と17歳…

朝霧

東京創元社 創元推理文庫 560円(+tax) ご存じ「円紫師匠と私」シリーズ第五作。大学を卒業し、出版社に就職した「私」は、俳句(「山眠る」)、リドル・ストーリー(「走りくるもの」)、暗号(「朝霧」)などに秘められた謎に直面する。名探偵円紫師匠は鮮やかに…

六の宮の姫君

東京創元社 創元推理文庫 480円(+tax) 『空飛ぶ馬』『夜の蝉』『秋の花』に続く〔円紫師匠と私〕シリーズの第四作『六の宮の姫君』は、わが国には稀な書誌学ミステリーをいっていい。これはなんと、芥川龍之介の短篇『六の宮の姫君』が書かれた意図をめぐっ…

秋の花

東京創元社 創元推理文庫 480円(+tax) 絵に描いたような幼なじみの真理子と利恵を苛酷な運命が待ち受けていた。ひとりが召され、ひとりは抜け殻と化したように憔悴の度を加えていく。文化祭準備中の事故と処理された女子高生の墜落死――親友を喪った傷心の利…

夜の蝉

東京創元社 創元推理文庫 480円(+tax) 呼吸するように本を読む主人公の「私」を取り巻く女性達――ふたりの友人、姉――を核に、ふと顔を覗かせた不可思議なことどもの内面にたゆたう論理性をすくいとって見せてくれる錦繍の三編。色鮮やかに紡ぎ出された人間模…

空飛ぶ馬

東京創元社 創元推理文庫 580円(+tax) 本格推理の謎解きの興味やその過程の論理のアクロバットの面白さと、人間ドラマである「小説」の醍醐味とは、基本的に相矛盾するものであり、共存が難しいというのは、しばしば指摘されるところである。しかし、この二…